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5分で読める囲碁講座



 これは、今年度(2004年)の大学囲碁部の部誌のために書いた原稿です。
 考えてみたら・・・思いっきり、サイトに載せられる囲碁系の文章なんですよね。どうして、今まで気付かなかったんでしょうか。
 ということで。部誌発行前ではありますが、ここにて公開します。ちなみに、サイト掲載用に少し手を加えました。
 では、ごゆるりとお楽しみください。




〜布石編〜

 一局を人間の一生になぞらえるなら、布石はいわば少年時代。ここで道を踏み外すと、まっとうな人生が送れるわけもありません。

 【1】広いところに打とう。

 ……いきなり、『広いところ』と言われても困るって?しかし、布石はこの一言で片付くと言っても過言ではなく。19路の広い空間で、なるべくスペースが空いているところに打てば良いって事です。簡単でしょう?

 【2】ね〜え?

 某・国民的アイドルじゃないですけど、迷います。『広いところ』がわかっても、三線なの?四線なの?と。
 まぁ、大体のところ……三線は実利志向で四線は勢力志向。要するに、地に足をつけて現実的に生きるなら三線。宙に飛んで中央に夢を託したいなら四線、といった感じ。どっちがタイプ?

 【3】定石論。

 そもそも、『定石』って何でしょう?
 定石とは、部分における決まった、最善の形であり……現在、残っている定石は400年余りの淘汰に耐えてきたもの。つまり、叡智の結晶とも言えます。それだけに、憶えて損は無いです。言い方を変えると、定石は盤上における言語のようなものなので。
 じゃ、どれくらい憶えたらいいのか?ということになりますが……凄くポピュラーな定石20〜30個で充分でしょう。特に最初のうちは、置石で星に打つ機会も多いので、星で自分が使いたい定石は憶えておくと便利です。
 ただ、初段より上を目指すのであれば……定石を丸暗記するのではなく、主旨を理解するのが大切。そうすれば、未知の定石が出てきたときも自分で考える材料になるからです。理想は、定石など憶えていなくても、自分で最善手を考えて打てるようになる……こうなると、もはや高段者の仲間入りです。

〜中盤編〜

 広いところをどんどん打ち続けていくと、互いの石が接近してきます。囲碁が勝負事である以上、戦いは避けられません。頼りになるのは、自分の力のみ。効率よく石を活用したほうが有利なんですが……。

 【1】アキ三角・ダンゴ形ノ恐怖。

 アマの悪手で頻出度bP。狭い場所に石が集結するその姿……効率もへったくれもあったものじゃなく。ごくごく少数の例外を除いては、絶対に作ってはなりません。大袈裟かも知れませんが、アキ三角やダンゴ形を作って逃げるくらいなら、捨てたほうがマシなこともあります。
 まぁ、いきなり1コも作らずに打て、というのも難しいですが……なるべく石の効率に敏感になることで、少しずつ減らせます。撲滅したあかつきには、素晴らしい未来が待っています……多分きっと。

 【2】ダメ詰まり、つまりダメ。

 ここで言う『ダメ』とは、石の呼吸点のことです。
 余談ですが、他にも『ダメ』の意味は「お互いに打っても地にならないところ」。転じて、「どちらから打っても地になりにくいところ」など、多種多様なんですよ。僕もある部員に指摘されるまで、全く気付かずに使っていたけれど……。
 で、本線に戻ると。石はタテヨコに囲まれると、つまりダメが無くなると取られてしまいます。つまり、ダメが詰まるというのは、一種の酸欠状態。お世辞にも、こんな状態が良いとは言えません。なるべく避けたいものですね。

 【3】冷静と情熱のあいだ。

 相手の地をドカンと消したいなら、打ち込み(情熱)で、ジリジリ削りたいなら消し(冷静)です。状況によって使い分けることになります。
 打ち込みは3線が基本(生きやすいので)です。そして、消しは模様の端と端を結んだ線上に置くと良い……というのが一般論です。が、基本的に中盤には、これといった法則も無いので……慣れていくのが一番でしょう。

〜死活編〜

 文字通り、「dead or alive」な場面です。殺しに行く、生きる……状況はさまざまですが。究極の接近戦だと言うことには間違いありません。

 【1】二線は生命線。

 布石時代は、二線は滅多に活躍の場はありません。しかし、中盤以降は大活躍。しかも、死活においては生命線です。石を生きる基本は「場所を広げる」こと。二線から相手の侵略を止めれば、生きる場所が広がります。普通、6目が生死の境と言われています。ちなみに、逆の立場で言うなら「殺すためには場所を狭める」ということになります。

 【2】急所を守る。

 石には、急所があります。隅の場合、2の1、2の2ですが。これもケースバイケースで一概には言えません。実戦で慣らしても良いですが、詰碁をやるのが効果的で良いと思います。簡単なものを1冊、繰り返し読めば飛躍的に実力が上がることうけあいです。

〜終盤編〜

 戦い終わり、盤上はほとんど埋まり。あとは、相手との地の境界線を固めるだけ。「だけ」といっても難しく、自分はかなり苦手です。

 【1】目算ノススメ。

 目算は、多分「目で算える」から来ているのでしょう。自分と相手の地を数えることによって、良いのか。悪いのか。形勢を判断します。実は、これは終盤に限ったことではありませんが、打つ手はすべて形勢に左右されます。勝ってるときに無理することはないですから。
 最初のうちは、「30目以上負け」「同じくらい」「30目以上勝ち」くらいアバウトに。だんだん、目数を20目、10目、5目……と誤差を少なくしていけば良いでしょう。最後には「半目負け」「半目勝ち」がわかるようになるらしいです。凄いですね(←他人事)。

 【2】ヨセ

 基本は簡単な算数です。相手に打たれたときを仮定して図を作る。で、自分が打ったときに予想される図を作る。これを足すと、その手に何目の価値があるかがわかります。これを、大きい順番に打っていきます。
そして、ヨセの手は、先手・後手により4種類に分けられます。

 《1》両先手(どちらから打っても先手)
 《2》片先手(自分から打てば先手)
 《3》逆ヨセ(相手から打てば先手で、自分から打てば後手)
 《4》両後手(どちらから打っても後手)
 《1》は早い者勝ちなので、何を差し置いても打ったほうがいいです。その後、《2》を打ち、《3》、《4》と進行していくのが一般的です。
 ちなみに、目算するときには、ヨセを打つ確率は二分の一なので、権利を折半します。たとえば、自分から打てば5目。相手から打たれたら1目で、手の価値は合計6目。で、価値折半でここは自分の3目の土地と考える……といった具合。このように、目算とヨセは、切っても切れない関係にあります。
 確率の計算の応用次第で、たとえば「ここよりあそこが3分の7目大きい」という思考が生まれてきます。で、だんだん強さがトチ狂ったレベルに達すると「そこよりここが27分の8目大きい」とか言い出します。この言葉は、とある棋士が言っていたんですが……僕は理論を説明されるまで全く以って理解不能でした。ヨセって難しいですね。

〜あとがき〜


 ……書き始めた当初は、5分で読める量になる予定だったんですよ。でも、書いていくうちにA4で3枚の量になってました。タイトルがいつの間にか嘘に(笑)。まぁ、一通り序盤・中盤・死活・終盤と書けたので良かったかと。
 なお、この文章は一応、ターゲットを初心者から有段者にしています。
 ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。この文章が、読者の棋力向上の一助になれば、この上ない幸せです。


2004年 9月13日
よふ



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