置碁から学ぶ布石【2】 |
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さきほどのテーマでは、白は凄く紳士的でした。 しかし、9子も置いた相手だと普通に打っては勝てません。 (・・・本当は、黒が間違えない限り白は勝たなくて良い、というのが個人的な意見ですが) そこで「勝つために間違いとわかってる手を敢えて打つ」という、騙しまがいの手段が数多く存在するのです。 今回は、そんな手の対策をいくつか。 《9子局−2》 ここまでは先程と同じ。 ここで・・・。 白が三々に打ってくる手段があります。 明らかに図々しくて、無理なのですが・・・。 反射的にオサエてしまう人が多いのです。 こう打つと、白はもっと付け上がって・・・。 ハネを打ってきます。 黒3のオサエは好守なのですが(この手については後で詳述します)。 1子を抜き、すっかり強化されてしまいました。 原因は? そう、三々に対するオサエにあるわけで・・・。 黒は強い石なのですから、サガリを打つ一手。 これで、白が分断されて一気に苦しくなります。 もう1度繰り返しておきます。 黒は強い石です。 白は、隅を生きに行くくらいしかないです。 ここで・・・。 出を利かして、二段バネが良い手。 こういうナナメの手を打つと、心配だという方が多いのですが・・・。 白にも弱点があるので大丈夫なのです。 仮に、キリを打って1子を取ってきても・・・。 両アタリになるキリから、2子を取る逆襲があります。 これがあるので、白はキリを打てません。 ということで、黒は安心して二段バネが打てるのです。 白はツギ。黒もツギ。 お互いにおさまりました。 さて、白は隅を占領しました。 しかし、黒は周りに鉄壁ができました。 白の辺の石が、かなり寂しくなったのがおわかりでしょうか? 隅で得した分、辺では余計に苦しくなってしまったのです。 しかも、隅の形はまだ不完全で・・・。 オキが高等テクニック。 ここまでは覚えなくて良いです(笑)。 が、こういう手段があって白地は2目になってしまいます。 悔しいからといって、黒のオキにオサエを打つと。 一本道でコウになってしまいます。 これは一大事!! つまり、上の図で我慢するしかないのです。 ・・・まぁ、オキまで打たれるようなら、置石なんて取っ払ってしまうでしょう(笑)。 ということで、白の三々に対してサガリが良いのです。 ただし、囲碁は常に周りの状況で手が変わります。 いつでもどこでもサガリというのは疑問で・・・。 こういう場面での三々には、サガリは疑問。 要するに、分断するからには白を攻撃できないといけないのです。 しかし、白の外側は鉄壁。 せっかく鉄壁を張っても、まったく意味がありません。 これでは白に地を取られただけ損になってしまいます。 こういうときは、オサエが好手になります。 守りに重きを置いた手段ということ。 ハネに対しては、オサエがこれまた好手。 一見、自殺手かと思われますが・・・。 キリに対して下アテが関連した手段。 白は取るくらいですので、黒はアテを打ちます。 これで無事に黒は助かりました。 白がもし伸びてきたら、1子をツナいでください。 もし外側の白が強ければ、オサエが好手なのです。 【総括】 三々対策のまとめです。 白の石は弱いので、サガリが絶対。 生きにきたら、二段バネが攻守。 これで鉄壁を張ることができます。 もう一度繰り返します。 黒石は強いのです。 置碁の最序盤だと特に。 なので、こういった強い態度で臨むことが大切です。 ◆置碁から学ぶ布石【3】topに戻る |
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