置碁から学ぶ布石【8】



 とうとう5子局になりました。



 辺がスカスカしてるので、白にも策略の余地があります。
 不安に思う人も多いはず。

 でも、ポジティブに考えてみてください。
 まだ黒が5手も先着してるから圧倒的な有利。
 そしてスカスカしてるということは、それだけ自由度が高まったということです。

 ここからは、より互先に近い色々な戦法を紹介します。

  《5子局−1》


 カカリに対して、ケイマ受けも有力です。
 もし自分が黒だったら、こう打ちますね(笑)。

 一番の利点は、手堅いこと。





 さて、ここで問題。
 4つの辺の星があります。
 黒はどこに打つのが正解でしょうか?

 【A】右辺


 【B】下辺

 ※流石に星には打てないので、便宜上オオゲイマにしました

 【C】左辺


 【D】上辺



 今までの話を理解していれば、2つの選択肢はすぐに消されるはずです。
 「広いところから打つ」というのが基本になります。

 わかったでしょうか?
 得点をつけているので、考えてみてから下の解説を読んでください。


















 では、いきますね。

 【B】下辺:50点


 下辺は一番小さいです。
 幅が一番狭い(黒石から白石まで6路)上に、白が先行していて既に生きています。

 こういう場所は最後に打つべきところです。



 【A】右辺:70点


 次に小さいのは右辺です。
 空いているのは9路。

 先に黒が展開している部分なので、少し価値が落ちるわけです。


 今まで、繰り返し「布石は広いところから打つ」というのを書いてきたので・・・。
 この2つの選択肢は、最初に排除してもらえると嬉しいです。

 さて、問題は上辺と左辺のどちらが大きいかです。
 幅は同じなのですが・・・。



 【C】左辺:95点


 ほぼ最善の着手です。
 初段以下の人がこう打ったら、満点!!

 三連星に打つのは、非常に有力です。
 広い場所を占拠してますので。

 ただし、5点減点したのは発展性の問題。
 下辺に白の勢力圏があるので、そこへの模様の拡大が制限されてる意味があります。

 ということで・・・。


 【D】上辺:100点


 同じ三連星でも上辺なら満点です。
 下辺から一番遠いところであり、模様の拡大が期待できるのです。

 些細な違いですので、初級者〜級位者の方は【C】【D】どちらか打てれば正解です。
 良い布石感覚が身についています。

 ただし、高段者を目指す有段者の方は、違いは細かいですが気にした方が良いです。




 ということで、上辺の星が最大です。
 ここでの白の着手は色々とあるのですが・・・。

 理論通りに行けば、左辺が最大のはず。


 もう少し後の変化まで見てみましょう。




 白は下の星にカカリを打つのが第一案。




 対して、黒はハサミを打つのが良さそう。
 というのも・・・。



 普通にケイマ受けだと、黒は発展性の乏しい下辺に。
 白は発展性豊かな左辺に進出することになります。

 左辺と下辺の価値は違っています。
 ということで、これは左辺を巡る鍔迫り合いなのです。




 ここで三々に入るようだと、この白は布石感覚にかなり乏しい上手と言えるでしょう。




 定石通りに打ったときに、白の手が価値の低い下辺に向かってることになります。
 そして、幸便に黒に左辺を先着されてしまいます。

 最後の一間ジマリは、黒の左下隅とのバランスで選んでる着点です。
 こうなっては5子局どころか7子局くらいの差がついてしまいました。

 ということで・・・。




 白はトビを打つくらい。
 ここからは定石通りに進行(リンク貼っておいたので、忘れてしまった方は復習お願いします)。

 白は少し不利なのですが、仕方ない進行です。


 ただし、黒はコスミツケを打ってません。
 その理由はといいますと・・・。




 《星の定石》で紹介しそびれてましたが、コスミツケを打った瞬間にオサエで裏切る場合の手があります。

 黒は地が多い変化になります。
 が、下辺は発展性が乏しいのでこの変化は白良し。
 定石通りにならないことがあるという好例です。

 ということで、コスミツケを打たない前図が相場になりそう。



 さて、一方。
 左上隅に白がカカリを打った場合・・・。



 同じ理由で、トビからの定石を打つことになりそうです。
 参考までに、三々に打った場合の進行を示しておきます。




 以前にも取り上げた形ですので、説明も不要かと思います。
 《星の定石》にて紹介しました。


 【総括1


 カカリに対して受ける手は割と有力。
 理由として、右辺と下辺の価値は(この時点では)変わらないからです。

 しかし、定石を打った瞬間に価値は一変。
 下辺<<右辺<左辺≦上辺
 広さと発展性を考えると、こうなります。

 当然、黒は上辺の星を占めることに。
 白は左辺を打ちますが、ここでも下辺に石が向かうのを避ける打ち方が重要になってきます。
 それは白黒双方にとって言えることです。


 黒は5子も置いていますので、間違いなく打つとやはり黒が有利になります。


 【総括2


 また、左上隅にカカリを打った場合もハサミが良いです。
 この型は7子局で詳しく取り上げたので、改めて説明はしません。


  【総括3


 また、あまり見かけませんが穏やかにワリウチを打つ方法もあります。
 黒は慌てず騒がず、右辺を打つことになります。
 打ち方は色々ありますね。


 次は、2手目から積極策を取る打ち方について紹介します。


 ◆置碁から学ぶ布石【9】




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