死活のススメ【10】



 【9】までは、「なんとかして生きる」ための死活を説明してきました。
 しかし・・・世の中、生きられる形ばかりではありません。時には、土俵際の粘りも必要になってくるものです。

 そんな粘りというフレーズにふさわしいのが、これから説明する「コウ」です。

  《図 10−1》


 まずは、この形。黒番です。
 ちなみに、とても実戦に出やすい形です。というのも・・・。



 星からケイマにシマリを打った構え。そこに、黒が三々に入りハイを打った形なので。
 さて、ここから。黒は場所を広げようとしても・・・。



 下に場所を広げてみました。が・・・上から場所を狭められてしまいます。この形、広さは4。残念ながら、死んでいます。



 上に場所を広げてみます。この場合、下から場所を狭められて・・・やはり、生きていません。



 順調に一線から狭められ、5目ナカデになってしまいます。
 なので、場所を広げても生きられません。



 では、柱を立ててみてはどうでしょうか。これは、白も攻め方が非常に難しいですが。



 サガリは絶対(逆に、ここを黒に打たれると完全に生きてしまうので)。



 黒は、3・5と必死に場所を広げますが。



 6の急所に攻撃され、撃沈。
 ということで・・・柱に打っても死んでいます。

 場所を広げるのも不可能。柱を立てても生きない。万策尽きたかと思われますが。ここで、コウの出番です。



 ハネは打ちます。黒は、ツナグと死んでしまうので・・・。



 黒3にカケツギを打ちます。白に一線からアタリを打たれて、一見すると駄目そうなのですが・・・。



 アタリを打たれたとき、黒5が粘りの好手。ここで、コウ争いが始まります。



 白6に取ります。黒は、どこかにコウ材を打って・・・。


※黒7・白8はコウ材

 黒9に取ります。このコウに勝つことができれば、黒は生きることができます。これが、コウの粘りです。

 もう1つ、例題を。

  《図 10−2》


 黒番です。一見して、黒が大ピンチということが解ると思います。普通に場所を広げていては、一眼すらもままなりません。
 こういうときに、コウの出番です。



 コウの粘りを利用して、黒1にハネます。白に切られて、取られているようですが・・・。



 白2にキリを打たれたとき、黒3に打つのがコウの粘り。これで、コウに勝てば生きることができます。

 さて、コウの形を見てきましたが。どちらも、「土俵際の粘り」という感じですね。
 ただ死んでしまうよりは、コウを仕掛けたほうが格段に良いです。というのも、コウは取られるまでに2手かかります。つまり。コウに負けたとしても、他に2手連打できるということなのです。同じ取られるなら、コウの方が良いのは言うまでも無いでしょう。

 以上、ギリギリの粘り手段「コウ」についてでした。




 ◆死活のススメ【11】




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