ヨセの科学【17】





  《解答7》


 それでは、早速行ってみましょう。


  《黒から打った場合》


 黒から打てば、ハネツギが普通。
 これに対し、白が対応する場合はこうなります。



 備えるとすれば、白4のカケツギが普通。
 オサエの下にサガリと打つ強硬手段もありますが、上から打たれる手が心配なのであまり打たれません。

 このまま、一段落。
 いつものように、計算するときは”サガリサガリ”で処理します。


 これなら、話は簡単。
 難しいのは、白が手抜きした時で・・・
 コウ材の多少により、手が変わってきます。



 (白4は手抜き)

 黒はハサミツケが良い追撃。
 白の対応はと言うと・・・。




 ツギ、ワタリになるのが普通です。
 もし、白がサガリを打つと・・・。


  《参考図1》


 キリを打たれて参っています。
 白は、黒2の石を取ることが出来ません。




 その後、白はマガってオサエを打つくらい。
 ここで、黒は・・・。



 ハネてツギを打つのが、難しいですが手筋です。
 その心は、コウを絡めて相手にツギを打たせたい、ということです。



(黒17は手抜き)

 ツギを打たせた後、黒15・白16を打って放置。
 白はコウトリ、ツギになる相場です。

 少し手順は長くなりましたが・・・。



(白4、黒17は手抜き)

 なお、手の大きさを考えたいので周りに味はないものと仮定します。
 本当でしたら、キリが2箇所あって危ないのですが。

 ということで、白が手抜きすると、こういった進行になるわけです。


  《白から打った場合》


 白から打つ場合は、サガリが良手です。
 ・・・なぜ一路右のハネだといけないかと言いますと。


  《参考図2》

(黒4は手抜き)

 ハネツギをした後の手段が違ってくるのです。
 黒が手抜きをした場合、一線ハネツギしか残りません。



(黒2手抜き)

 黒が手抜きした場合、サルスベリの手段があります。
 ヨセの科学【13】に出てきた筋ですね。



 この場合は、コスミツケが最も安全かつ得な手段です。
(白石の右隣にツケを打っても、目数は変わりません)




 そこから、このような展開になります。
 ツギまでで一段落。
 《参考図2》のハネツギ形より、黒地が2目減ってるのを確かめてください。


 ということで・・・。


(黒2は手抜き)

 白がサガリを打つと、こうなるのが普通。
 なお、黒が手抜きをしなかった場合・・・。



(白3は手抜き)

 白は、黒からの2線ハネツギを先手で防いだことに満足し、手抜き。
 黒は1線のハネツギが権利になります。

 ヨセでは、先手が貴重になります。
 初級者・級位者の方々が高段者にヨセで差をつけられてしまうのも。
 相手の手についていくことによって、次々と先手ヨセを打たれてしまうことによります。

 究極な話、相手の手に手抜きすれば先手は取れます。


 ここまでの話をまとめますと。

  《正解図》

(黒5・白6は計算の便宜上加えています)                (白2は手抜き)

 今回、4線まで話が波及しているので、4線までの地で計算します。

 黒から打って先手になった場合(左図)は、黒地が14目白地が24目
 同じく、後手になった場合(右図)は、黒地が14目白地が7目



                                         (黒2は手抜き)

 白から打って先手になった場合(左図)は、黒地が13目白地が28目
 同じく、後手になった場合(右図)は、黒地が7目白地が25目

 両先手(つまり、白黒とも手抜きしない)と考えると、黒からも白からも両先手5目(黒地1目・白地4目変化)。
 黒からの片先手(白は手抜きするが、黒は手抜きしない)と考えると、黒から先手8目(黒地7目増、白地1目減)。
 白からの片先手(黒は手抜きするが、白は手抜きしない)と考えると、白から先手19目(黒地1目減、白地18目増)
 両後手(白黒とも、手抜きする)と考えると、黒からも白からも後手25目(黒地7目・白地18目)。

 えっと、なにやら複雑な結果になってしまいましたが。
 いずれにせよ、20目近くの大ヨセということです。
 ということで、ヨセに入ったらすぐにでも打たれる場所。


 問題演習はここまでです。
 実際は、プロ棋士や一流アマチュアの方々はここまで複雑に計算をしています。

 それが初段前後の打ち手に必要か。
 まったく必要ないので安心してください


 本当に必要なのは、先手・後手のみきわめですね。
 一番、差が付く部分だと思います。


 ◆ヨセの科学【18】




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