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ヨセの科学【5】




 さて、怒涛の如く先手・後手について説明してきましたが。
 ここで、1つ補足しておきます。

 それは、先手ヨセが必ずしも先手になるとは限らないということです。
 ・・・は?何それ?と、混乱する読者の声が聴こえてきそうですね。

 まぁ、実例で示すのが一番わかりやすいでしょう。
 理解してみると、実は簡単なことなのですが・・・。

  《図5−1》


 これは、【序】で出てきた図です。ここまでは互角の形勢。

 状況的には、両先手のコスミが2ヶ所あります。
 ここで、黒番ですが・・・。



 まず、下辺のコスミが最大です。両先手6目ですので・・・。
 (注:有段者や高段者の方は、ツケとか他に色々な手段が見えるとは思いますが。あくまでも初級者〜級位者の方々への説明を主眼に置いているので、解りやすさを重視しています。決して最善の手段を示しているわけではないので、ご了承ください。)
 ここで、両先手だから受けなければいけない、と考えられがちなのですが・・・。



 受けてしまうと、上辺のコスミも打たれてしまいます。
 仕方なく、受けると・・・。



 ハネツギを両方決められてしまいます。
 この時点で、さっきまで互角だったはずなのに差がついています。

 白が悪くなってしまった原因はどこにあるか、というと・・・。
 実は、「両先手だから」と受けてしまった白2にあります。

 どう打つのが正しいかと言うと・・・。



 下辺を無視して、上辺のコスミを打ちます。
 そう。「先手だからと言って、そこに打たなければならない」という事は無いのです。
 実際、この局面だと、こう打っていかないと勝ち目がありません。

 当然、黒は・・・。



 黒3のように、(どの手が良いかはわかりませんが)侵略します。
 白も同様に、侵略。こうして、勝負が際どく面白くなっていきます。

 さて、ここまでで何がわかったかと言うと。
 「先手(両先手、片先手)だからと言って相手に受けてもらえると限らない。また、受けなくてはいけないとも限らない。
 ということです。

 具体的には、最初の黒1。受けてもらえれば、先手6目です。
 もし受けてもらえない場合は、黒3から打っていくわけですが。その場合、黒1は後手10数目(細かい計算は複雑なので省きます)の価値がある手になるわけです。

 つまり、周りの状況により、先手ヨセに受けてもらえない時受けなくても良い時)がある。つまりは、部分的には先手ヨセであるヨセが、先手ヨセではなくなるということが出てくるわけです。
 これが、ヨセをやっていて一番難しいことなのですが・・・。先手○目が後手△△目に変わる、というのは日常茶飯事です。

 では、どんな時に必ず先手になるのか?
 それは「そこを防ぐ(受ける)手が、盤上で最大の手になっているとき」に限られます。
 要するに、その受けを無視して他に打つところが無ければ受けてもらえて、そこが先手になるということです。


 ・・・さて。ここまで、以下のことを説明してきました。

(1)ヨセとは、白黒双方の地に境界線を引く作業
(2)ヨセには先手・後手がある。
(3)しかし、先手が必ずしも先手になるとは限らない(受ける手が盤中最大の時のみ、必ず先手)。
 これを踏まえて、ヨセの価値を考えるときには「相手が受ければ先手○○目。受けなければ後手○○目」ということもあります。
 ほとんどの場合、先手ヨセを無視すると相当な大きさの後手ヨセになるため、先手ヨセで考えることが多いです。

 まぁ、いきなりは難しいかもしれませんが・・・。
 「先手って絶対じゃ無いんだなぁ」くらいの感覚で良いので、記憶に留めておいてください。


 ◆ヨセの科学【6】




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